付き添い専門シッターのサービスでは、母親の外出先に同行し子どもの面倒をみる。右がサービスを開始した桜沢美紗さん=2024年3月8日午後0時15分、札幌市東区

 出産や子育てでつらかった状況を改善するため、経験した女性が自ら新たなサービスやイベントを立ち上げる動きが目立つ。SNSなどの発信を通じて手をたずさえ、つらくなったら利用できるサービスの輪を広げている。めざすのは、より出産や子育てのしやすい社会だ。

 「産後はプロの力を頼ってゆっくり癒やされる場所を作りたい」。昨年暮れから札幌市内のホテルで産後ケアホテルのサービスを開始した高橋奈美さん(30)は2022年4月、サービス開始を応援してくれるダイレクトメッセージ(DM)を求めて、インスタグラムにこう投稿した。

 2021年11月に初めての女児を出産、3カ月たったころからうつ状態になった。夫は出張が多くワンオペ育児。娘は何をしても泣きやまず、徹夜で何時間もだっこし続けた。疲れが限界で、体が動かず、泣いている娘を眺めることしかできなかった。「誰か助けて」。心の中で叫びながら、何度も涙を流した。

 そんな頃、ユーチューブで産…

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